介護職の給料は他職種と比べても安すぎる!その理由と給料を上げる具体策を紹介

この記事では介護職の給料が安すぎる問題について解説していきます。
「介護職の給料は本当に安いのか?」
「介護職の給料がなぜ安いのか?」
「介護職の給料を上げる方法は?」
こんな疑問がある人はぜひこの記事を読んでください。
読み終わった頃には介護職の給料がなぜ安いのか詳しく理解できると思います。
最後までご覧ください。
介護職の給料は安すぎる?
介護職の給与は「安すぎる」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
ここでは、介護職の平均給与や医療他職種との比較を行いながら詳しく解説していきます。
介護職の平均給料
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、介護職員の平均給与は24万2200円となっています。
全職種の平均給与が31万1800円とされており、約7万円低いという計算になります。
地方によっても大きな差が見られ、大都市圏では若干高いですが、地方では平均以下のことが多いです。
出典:
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
医療他職種との比較
次に、医療他職種との比較をしていきます。
以下は医療他職種の平均月収になります。
- 看護師:31万8000円
- 理学療法士:28万9100円
- 臨床検査技師:31万4200円
これらのデータから、介護職の給料は医療他職種と比較しても低いことがわかります。
この給料差の背景には、国家資格の保持や業務の専門性の違いが挙げられます。
看護師は国家資格であり、業務内容に医療行為を含むため、給料が高い傾向にあります。
一方で介護職員は資格がなくてもできるため、専門性評価が低く、給与が上がりにくいのです。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
介護職の給料が安い3つの理由
介護職の給料が低い理由として大きく以下の3つがあります。
- 介護報酬に上限があるから
- 専門性が評価されにくいから
- 給料が低くても応募があるから
ここでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
介護報酬に上限があるから
介護職の給与が安い最大の理由は、介護報酬に上限が設けられていることです。
介護報酬は、介護サービスを提供する施設や事業者が国から受け取る収益であり、事業者はこの限られた予算の中で職員に給与を支払っていく必要があります。
高齢化に伴って国の財政は圧迫されており、介護報酬の元である社会保障費を抑えなければいけません。
そのため、介護施設や事業所の収益には上限ができ、職員の給与が低い水準になってしまうのです。
また、介護施設は一定の職員配置基準を満たす必要があります。
必要な人員を確保するために費用が割かれ、給料に回せる予算が限られてしまうという理由もあります。
専門性が評価されにくいから
介護職は看護師など他職種と比べて専門性が評価されにくいです。
それが一つの原因となり、給料が低い水準をキープしてしまっています。
介護職は専門的な知識や技術が必要な職業であり、対象者の安全を守るために、重要な判断を下さなければならない場面も多くあります。
しかし、医療関係者以外からは「誰にでもできる仕事」とみられることも多く、それが原因となって業界全体での給料が上がりにくくなっています。
他の医療他職種と比べて給与面での評価が十分に行われていない。
そう感じて、異なる業界へ転職するという人も増えてきてきています。
給料が低くても応募があるから
給料が低くても応募があるということも介護職の給料が低い原因になっています。
日本では急速な高齢化が進んでおり、介護サービスの需要が年々増加しています。
その影響で介護業界は慢性的な人手不足に悩まされており、介護職を募集しているところが多いです。
しかしながら、介護職は特に資格がなくても未経験で始められる仕事であり、雇用の安定性が比較的高いという理由から、職員が集まりやすい仕事でもあります。
こういった理由から、事業者側は給料を上げなくても大丈夫という考えになってしまうのです。
介護職の給料が安い理由は、介護報酬制度の限界や専門性が十分に評価されていないこと、さらに市場の供給とニーズのバランスによって抑制されるということが挙げられます。
いくつかの課題が絡み合い、結果として介護職の給料が上がりにくい構造ができているのです。
介護職の給料は上がっていくのか?
少子高齢化が進む中で介護職の需要は増加すると見込まれています。
しかし、この需要が給与上昇につながるのでしょうか?
最新の知見を踏まえて、解説していきます。
介護職の給与は現在上がっているのか?
まず現状を確認すると、介護職の給与は近年、少しずつ上昇傾向にあります。
厚生労働省が進める「職員処遇改善手当」や「介護職員等特定処遇改善加算」の制度が影響し、特に資格を持つ介護職員や経験豊富な職員の給与が改善されています。
たとえば、2021年からの処遇改善見直しにより、介護福祉士の資格を持つ職員やリーダー・管理職に就く介護職員の月給は平均で1〜3万円程度増額されています。
さらに、政府の「新しい資本主義実現会議」においても福祉分野の労働者の賃金引き上げが議題に上がり、2023年には一部実施されています。
介護職の将来的な昇給の可能性
日本の高齢少子化は今後も進行し、2025年には団塊の世代が全員75歳以上になります。このため、高齢者介護の需要は一層増加する見込みです。
介護職の人手不足が続き、ニーズの高まりが職員の処遇改善へとつながり、給与の上昇が期待されます。
介護報酬の改定が2024年以降も定期的に予定されており、処遇改善手当も引き上げが見込まれます。
政府が介護業界への支援を強化することで、介護職員の給与が段階的に上昇する可能性があるでしょう。
介護職の給料を上げる3つの方法
介護職の給与を上げるには、いくつかの方法があります。
業界内での資格取得やキャリアアップ、職場の選択によって、現在の収入を向上させることも可能です。給料を上げるための3つの手段について詳しく解説します。
介護福祉士の資格を取得する
介護職の中で給料を上げる最も効果的な方法の一つが、介護福祉士の資格を取得することです。
介護福祉士は国家資格であり、この資格を持つことで「専門性のある人材」として多くの介護事業所で評価され、昇給や昇進のチャンスが広がります。
介護福祉士の資格を取得するには、次の2つのルートがあります。
- 実務経験ルート
介護職として3年以上の実務経験を積み、介護福祉士試験に合格するルート
- 養成校ルート
指定された介護福祉士養成校で学び、卒業後に資格を取得するルート
資格を取得すると、年間の給与が約5〜10万円程度増えることが一般的で、さらにこの資格を活かしてキャリアアップも目指せます。
特に介護福祉士限定のポジションが用意されている事業所も多く、一般的な介護職員よりも業務の幅が広がり、待遇面でも有利になることがあります。
また、介護福祉士の資格は全国どこでも通用するため、転職時にも大きなアドバンテージとなります。
安定した収入を得たい、また給与を上げたい場合は、まずこの資格の取得を目指すことが重要です。
キャリアアップして管理職になる
介護業界で給与を大幅に増やす方法の一つは、キャリアアップして管理職に就くことです。
介護職としての経験を積むことで、リーダー職や主任、施設長などの管理職への道が開かれます。
特に大手の介護事業者や社会福祉法人では、明確な昇進制度が整備されており、管理職に昇進することで給与が大幅に上がるケースも多く見られます。
管理職になると、業務内容は介護現場の仕事だけでなく、スタッフの指導や育成、施設全体の運営管理など、より責任のある役割を担うことになります。
その分、給与も50万円から100万円程度増加する可能性があり、特に施設長クラスになると年収が500万円以上となることもあります。
管理職を目指すためには、次のスキルや経験が重要です。
- リーダーシップスキル
- マネジメントスキル
- 実績の積み重ね
管理職は施設運営の要であり、施設経営者や法人からの期待も大きい立場です。
管理職としての経験は介護業界以外でも活用できるため、将来的なキャリアの選択肢も広がります。
給料が高い職場へ転職する
給料を上げるための直接的な方法として、給与水準が高い職場へ転職するという選択肢があります。
介護業界は全国的にニーズが高く、様々な形態の施設や事業所が存在するため、事業者や地域によって給与水準に差があります。
例えば、次のような職場は他の施設と比較して給料が高い傾向にあります。
・公的施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設など)
自治体や公的機関が運営しているため、安定した給料が支払われるケースが多いです。
・大手法人や大規模施設
経営基盤がしっかりしている大手介護事業者や全国展開している法人は、給与や福利厚生が充実していることが多く、長期的に安定した収入が期待できます。
・訪問介護
訪問介護は比較的高い報酬が設定されており、施設に比べて高めの給与が支払われる傾向にあります。
また、都市部では介護職員の需要が高いため、地方よりも給料が高い傾向があります。
例えば、東京都や大阪府、愛知県などの都市圏では求人数も多く、給与水準も全国平均を上回ることが一般的です。
転職を考える際には給与だけでなく、昇給制度やボーナスの有無、福利厚生も確認することが重要です。
こうした条件が整っている職場であれば、長期的に安定した収入を得られる可能性が高くなります。
加えて、転職前にはインターネットの口コミや施設の評判をチェックし、労働環境や人間関係なども事前に確認することが、より良い転職先を見つけるためのポイントです。
介護職が活躍できる他の業種
介護職としての経験やスキルは、他の業種でも活かすことができることが多いです。
他の業種での仕事は、より高い専門性と安定した収入を得られる可能性があります。
ここでは、介護職が次のステップとして目指せる3つの業種について解説していきます。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険制度に基づき、利用者のケアプランを作成し、適切な介護サービスが提供されるよう調整する役割を担っています。
ケアマネジャーの資格を取得することで、介護現場の最前線だけでなく、利用者全体のケアを管理・調整する立場で働くことが可能です。
ケアマネジャーにとって、利用者やその家族との円滑なコミュニケーションが重要です。
そのため、現場で培ったコミュニケーションスキルや利用者ニーズを理解する能力が大いに役立ちます。
また、ケアプランの作成には医療機関や介護サービス提供者との連携も必要であり、現場経験が豊富であればその調整能力も高く評価されます。
ケアマネジャーとして働くと、介護施設での直接的な介護業務から離れ、事務作業やケアプラン作成といった業務に重点が置かれるため、身体的な負担が軽減されるというメリットもあります。
さらに、ケアマネジャーとしての経験は収入増加にもつながり、キャリアアップの道が広がります。
ケアマネジャーになるには、介護福祉士などの資格を持ち、一定の実務経験が必要です。
その後、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、さらに研修を経て資格を取得します。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、介護を必要とする利用者に対し、車椅子やベッドなどの福祉用具を正しく選定し、使用方法を指導する専門職です。
介護職としての経験がある場合、利用者の身体状況や生活環境を深く理解できるため、より適切な福祉用具の提案が可能となります。
福祉用具専門相談員の業務は、利用者の安全性や自立した生活を支援するために欠かせないものであり、利用者がどのようなサポートを必要としているかを理解する能力が求められます。
また、使用する福祉用具のメンテナンスや技術的な知識も必要であり、機械や製品に対する興味がある方にはやりがいのある分野です。
福祉用具専門相談員として働くことで、利用者の生活の質を向上させるための支援ができ、利用者の自立を促すことができます。
また、福祉用具の販売やレンタルを行う事業所で勤務することで、営業スキルや商品知識を身につけ、さらに幅広い業界での活躍も期待されます。
福祉用具専門相談員になるには、指定講習会を受講し、資格を取得する必要があります。
資格取得後は、介護施設や福祉用具貸与事業所での勤務が可能です。
サービス提供責任者
サービス提供責任者は、訪問介護サービスの提供にあたり、訪問介護員の管理や利用者のケアプラン作成、サービス内容の調整を行う役割があります。
訪問介護事業所におけるリーダーとして、事業所全体のサービス品質の向上を目指すポジションです。
サービス提供責任者の主な業務には、訪問介護員の指導・育成、利用者やその家族との連携、利用者の状態に応じたサービス計画の立案・調整などが含まれます。
サービス提供責任者として働くためには、介護福祉士や実務者研修の修了などの資格が必要です。
また、実務経験が豊富であればスムーズなキャリアアップが可能となります。
訪問介護の中心的な役割を果たすため、訪問介護員よりも高い給与が設定されることが多く、収入面での向上が期待できる職種になります。
さらに、経験を積むことで介護施設の管理者や運営責任者を目指す道も開かれており、将来的なキャリアアップの選択肢が広がります。
まとめ
介護職の給料が安い理由には、介護報酬の上限や専門性が十分に評価されていないこと、さらには給料が低くても応募者が一定数いる現状などが挙げられます。
しかし、今後の社会的なニーズの高まりから、国や自治体による給与改善の施策や、キャリアアップを通じた収入向上のチャンスも期待されています。
介護職員自身が資格取得やキャリアアップ、より高い給与水準の職場への転職といった取り組みを通じて収入を増やすことも可能です。
さらに、介護業界で培った経験は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、サービス提供責任者といった他の福祉関連職へも活かすことができ、将来のキャリアの選択肢を広げることができます。


