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サービス付き高齢者向け住宅の経営のコツを解説!失敗を防ぎ、収益を高める秘訣とは?

監修者森永 大樹

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の経営で失敗したくない」

「収益を出す具体的な方法を知りたい」


と悩んでいませんか?こうした課題は、多くの経営者や管理者が抱えているものです。


今回は、サ高住経営のメリットや注意点、そして収益性を高めるために知っておきたい重要なポイントについて解説します。


これから経営を始める方や、既に運営されている方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の経営とは?

ここでは、サービス付き高齢者向け住宅の経営について3つを紹介します。具体的には、


  1. サービス付き高齢者向け住宅の定義と特徴
  2. サービス付き高齢者向け住宅と老人ホームの違い
  3. サービス付き高齢者向け住宅の登録状況と推移


の3つです。それでは順番に解説していきます。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の定義と特徴

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、2011年改正の「高齢者住まい法」に基づいて創設された住宅制度です。


主な定義と特徴は以下の通りです。


対象者

原則として、自立して生活できる60歳以上の高齢者

住居の特徴

居室面積は原則25m²以上

サービス内容

安否確認と生活相談サービスが必須


※サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があり、一般型が全体の約92%を占めています。

  • 一般型:自立した高齢者から、要介護者まで幅広く入居可能で、必要な介護サービスは個別契約で対応します。
  • 介護型:要介護度が高い方も入居でき、必要な介護サービスを個別契約で受けられます。


出典:国土交通省住宅局安心居住推進課「サービス付き高齢者向け住宅の現状と課題」(P.2)

サービス付き高齢者向け住宅と老人ホームの違い

サ高住と老人ホームの違いについて、以下の表にまとめました。管轄機関や対象者、サービス内容などについて、明確な違いがあります。


比較項目

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

老人ホーム(有料老人ホーム)

管轄機関

国土交通省・厚生労働省

厚生労働省

根拠法

老人福祉法 第29条

高齢者住まい法 第5条

対象者

60歳以上(自立型)、要介護・要支援者 (介護型)

65歳以上(施設により60歳以上も可)

サービス内容

安否確認・生活相談、バリアフリー構造、食事提供(オプション)

食事提供、入浴・排泄・家事などの介護サービス、健康管理

契約形態

賃貸借契約

利用権契約

1人当たりの床面積

25㎡ など

13㎡(参考値)


出典:厚生労働省「高齢者向け住まいについて」(P.4)

サービス付き高齢者向け住宅の登録状況と推移

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、2011年の高齢者住まい法の改正を機に、急速に増加しています。日本が超高齢社会に突入したことで、サ高住は高齢者のニーズに応える居住形態として広がり続けています。


制度開始当初から、登録件数は年々増加しており、現在もその数は増加傾向です。近年では、施設数だけでなく、提供される介護サービスの質や運営体制の向上も求められています。今後も成長が期待される一方、安定した経営を維持するためには、しっかりとした計画と管理が必要です。



出典:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況

サービス付き高齢者向け住宅の開業手順

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の開業手順は、以下のステップに従って進めていきます。


  • ステップ① 事業計画の作成
  • ステップ② 資金調達と事業者の選定
  • ステップ③ 施設の建設
  • ステップ④ 登録手続きの実施
  • ステップ⑤ 人材募集と広告宣伝
  • ステップ⑥ 施設のオープン


サービス付き高齢者向け住宅の開業手順は、通常のマンション経営に比べて複雑です。特に、施設の登録手続きや事業者の選定が必要になるため、しっかりとした準備が求められます。

サービス付き高齢者向け住宅の4つの経営方式について解説

ここでは、サ高住の経営方式4つについて解説します。具体的には、


  1. 一括借り上げ方式
  2. 委託方式
  3. テナント方式
  4. 自営方式


の4つです。それでは順番に解説していきます。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、建物のオーナーが施設全体を運営事業者に貸し出す形式です。オーナーは建物を提供し、運営者が入居者の募集や契約、施設の管理を行います。オーナーにとっては、運営の手間がかからず、安定した賃料収入が得られるのが特徴です。


◯メリット:

  • 空室リスクが低い:入居者の有無に関わらず、賃料が安定する
  • 運営の手間が省ける:施設の管理や運営はすべて事業者が担当する


◯デメリット:

  • 事業者のリスク:事業者が倒産した場合、運営が不安定になる可能性がある
  • 収益性の低さ:収益性がやや低めに設定されることがある


一括借り上げ方式は、安定収入を得たいオーナーに向いています。ただし、事業者選びが非常に重要です。

委託方式

委託方式は、施設のオーナーが運営や入居者の募集を行い、介護サービスの提供だけを外部の事業者に任せる経営形態です。オーナーは全体の管理を担当し、事業者は介護サービスを提供する形で、それぞれの役割を分担します。


◯メリット:

  • 自由度が高い:施設運営に関与できるため、柔軟に運営方針を決定できる
  • 事業者の変更がしやすい:委託契約のため、介護サービスの事業者を変更可能


◯デメリット:

  • オーナーの負担が増える:入居者募集や運営管理を行うため負担が大きい
  • サービスの質が事業者依存:介護サービスの質は委託した事業者に依存する


委託方式は、オーナーが運営の主導権を握りつつ、介護業務は専門の事業者に任せたい場合に適しています。

テナント方式

建物のオーナーが施設を所有し、そこに介護サービスを提供する事業者をテナントとして入居させる形の運営方法です。この方式では、オーナーが施設全体の運営を管理しながら、介護事業者などが入居して業務を行います。入居する事業者は、オーナーに対して賃料を支払い、独自にサービスを提供します。


◯メリット:

  • 高い収益性:オーナーは事業者から賃料を得られるため高い収益性が見込める
  • サービスの多様化:さまざまなテナントが入居することで多様なサービスを提供可能


◯デメリット:

  • 運営負担の増加:施設管理やテナントの調整、入居者の募集などを行うため、運営面での負担が増える
  • テナント管理の難しさ:空室リスクや事業者間の調整が課題


テナント方式は、オーナーにとって収益性が高い一方、管理が複雑になるため、事業運営に対する知識と適切な管理が求められます。

自営方式

施設の所有者が建物の管理から入居者の募集、介護サービスの提供まで、すべてを行う運営方法です。オーナーが直接運営に関わるため、事業全体の管理が必要となります。自営方式を採用するには、介護サービスを提供するために必要な資格が求められます。


◯メリット:

  • 高い収益性:全体の運営をオーナーが管理するため、利益が最大化される可能性がある
  • サービスの品質管理:介護サービスをコントロールできるため、利用者に合わせた柔軟な対応が可能

◯デメリット:

  • 運営スキルが必要:施設管理やサービス提供のための知識や経験が必要
  • リスクと責任が集中:初期費用や運営コストなど全てのリスクをオーナーが負う


自営方式は、収益性の高さが魅力的ですが、リスク管理や介護事業に関する専門知識が求められます。

サービス付き高齢者向け住宅を経営するメリット

ここでは、サ高住を経営するメリット3つについて紹介します。具体的には、


  1. 需要が高い
  2. 建築費に対する補助金の利用が可能
  3. 税制優遇措置が受けられる


の3つです。それでは順番に解説していきます。

需要が高い

サ高住の需要は、今後さらに拡大する見込みです。日本では高齢化が急速に進んでおり、高齢者が自立した生活を保ちながら、必要なときに介護サービスが受けられる環境が求められています。よって、サ高住は安心して暮らせる住宅としてますます注目されています。

建築費に対する補助金の利用が可能

建築にあたっては、国や自治体が提供する補助金を利用できる場合があります。建設費の一部を補助金でまかなえるため、初期投資の負担を軽減できます。特に、バリアフリー設備の整備や、介護サービス提供施設の併設などが補助の対象となることが多いです。


地域ごとに異なる補助制度があるため、事前に自治体に問い合わせて詳細を確認し、必要な手続きを行うことが重要です。

税制優遇措置が受けられる

サ高住の経営では、税制優遇措置が適用されるため、初期投資や運営コストを抑えながら経営を進めやすくなります。


具体的には、固定資産税や不動産取得税の軽減措置があります。


  • 固定資産税:最大で5/6の減額が可能で、適用期間は5年間
  • 不動産取得税:課税標準から1,200万円の控除が適用

※適用期限は、令和7年3月31日まで


このような優遇措置を活用すれば、初期コストを抑えながら経営の負担を減らせます。事前に税制の適用条件を確認し、積極的に活用しましょう。


引用:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の概要

サービス付き高齢者向け住宅を経営する際の注意点

ここでは、サ高住を経営する際の注意点3つについて紹介します。具体的には、


  1. 初期投資額が大きい
  2. 転用が難しい
  3. 入居者トラブルの可能性


の3つです。それでは順番に解説していきます。

初期投資額が大きい

サ高住の建設費用は、一般的な賃貸住宅に比べて約1.5倍から2倍かかることが一般的です。建築費用が1億円以上になるケースもあります。バリアフリー設計や居住スペースの確保など、法的基準を満たすために建築費が増えるのが主な理由です。


高齢者が安全に生活するためのエレベーターや手すりなどの設備が追加されることで、コストがさらに上昇します。初期費用が大きいことが原因で、早期に黒字化を目指すことが難しくなることもあります。

転用が難しい

サ高住の運営を他の事業に転用するのは難しいです。例えば、サ高住を一般的な賃貸住宅に変える場合、家賃を市場の相場に合わせる必要があります。


サ高住は高齢者向けに特別なサービスや設備が整っているため、高めの家賃設定が許容されます。しかし、通常の賃貸住宅として提供する際には、その付加価値が借主にとって魅力にならないため、同じ家賃では借り手がつきにくいのです。


さらに、サ高住の建設コストは一般よりも高額であり、賃料を下げると投資回収に時間がかかるリスクが大きくなります。事業を開始する際には、長期的な運営計画を立て、転用リスクを理解しておくことが重要です。

入居者トラブルの可能性

サ高住では、入居者の健康や安全を日常的に確認することが大切です。多くの高齢者は健康に不安を抱えており、急な対応が必要になることもあります。そのため、安否確認は日常業務の一環として行わなければなりません。


万が一の事態が発生し発見が遅れた場合には、施設側に一定の責任が生じることもあります。このように、サ高住の運営には、入居者の安全を守るための適切な対応が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅経営で利益を出す4つのポイント

ここでは、サ高住の経営で利益を出すポイント4つを紹介します。具体的には、


  1. 優秀な人材確保に力を入れる
  2. ICTを活用しサービスの質と業務効率を最適化する
  3. 併設事業所の実績やサービス内容を重視すること
  4. 建築業者のプランを比較すること


の4つです。それでは順番に解説していきます。

優秀な人材確保に力を入れる

サ高住の経営においても、採用活動は非常に重要です。介護業界では人材不足が深刻な問題となっています。そのため、安定した運営を行うためには、優秀なスタッフを採用することが必要なのです。


求人活動は、地域のネットワークや専門校との連携を深めるなど、幅広い手段を取り入れましょう。また、給与や福利厚生の充実だけでなく、研修制度やキャリアパスを整えることで、職場を魅力的にする工夫も求められます。採用後も、スタッフが長く働ける環境を整えることで、定着率がアップします。

ICTを活用しサービスの質と業務効率を最適化する

ICTを導入することで、業務効率とサービスの質を向上させることが重要です。タブレットやスマートフォンを使った介護記録システムを活用すれば、業務の時間短縮が可能になり、スタッフ間の情報共有もスムーズに進められます。


また、蓄積されたデータを分析し、経営やサービス向上に役立てることで、さらに質の高い運営が可能になります。ICTの導入は業務を効率化するだけでなく、入居者にとっても安心できる環境づくりにもつながるのです。

併設事業所の実績やサービス内容を重視すること

サ高住の経営では、併設するサービス事業所えらびが非常に大切です。事業所の運営実績を確認し、安定した経営ができているかどうかを確認しましょう。実績のある事業所は、入居者や家族、地域から信頼されており、今後の運営もスムーズに進むことが多いです。


また、提供されているサービスが入居者のニーズに合っていることも重要です。質の高い介護や医療サービスが提供されている事業所であれば、入居者の満足度が高まり、長期的な入居が期待できます。緊急時など、入居者の状態に応じた柔軟な対応ができるかどうかも確認しておくと安心です。


さらに、地域とのつながりを大切にしているかどうかも確認しておきましょう。地域との関係が良好な事業所は、住民からの支援を受けやすく、長期的に運営するうえでの強みになります。

建築業者のプランを比較すること

業者のプラン選びは、初期投資や収益に大きく影響するため、慎重に行うべきです。まず、少なくとも3社以上の業者から提案を受け取り、それぞれのプランを比較することで、最適な選択肢を見つけましょう。


単純な建築費だけでなく、将来の修繕費や運営コストも含めて総合的に判断することが大切です。また、状況に応じて用途変更や増築ができる設計かどうかも確認しておくと、柔軟な対応が可能になります。さらに、省エネ設計や再生可能エネルギーの活用を検討すると、ランニングコストの削減につながります。

まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の経営には、メリットとデメリットがあります。メリットは、高齢化社会において需要が高く、補助金や税制優遇が受けられる点です。一方で、初期投資額が大きく、事業転用が難しいことや、入居者トラブルのリスクも考慮しなければなりません。


サ高住経営を成功させるためには、スタッフ採用に力を入れ、ICTを活用して業務効率化を図ることが重要です。また、事業所のサービス内容や建築業者の選定を慎重に行うことで、安定した運営が可能になります。


以上のポイントを押さえ、計画的に経営を進めることが、サ高住経営の成功につながります。


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監修者

森永 大樹のプロフィール写真

森永 大樹

エジスト株式会社 代表取締役

2018年大学卒業後、レバレジーズ株式会社に入社し、介護事業部の営業を担当。2020年に退職後、エジスト株式会社を設立し、介護・医療業界特化メディア、採用支援サービスのケアプラを運営する。

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