デイサービスの経営について解説!経営者の年収から難しいとされる理由を大公開

この記事ではデイサービスの経営について紹介していきます。
「デイサービス経営者の年収は?」
「デイサービスの経営が難しいとされる理由は?」
「デイサービスの将来は安定しているの?」
こんな疑問がある人はぜひこの記事を読んでください。
読み終わった頃にはデイサービスの経営について詳しく理解できると思います。
最後までご覧ください。
デイサービスとは
デイサービスとは、介護が必要な高齢者が日中に施設を訪れ、食事や入浴、機能訓練などのサポートを受けながら過ごす介護サービスの一つです。
特に自宅で生活を続けたいと考える高齢者やその家族にとって、重要な役割を果たしています。
デイサービスには、他のサービスと比較しても特有の特徴があります。
以下に、デイサービスの3つの大きな特徴を紹介します。
日中のサポートに特化した介護サービス
デイサービスの最大の特徴は、利用者が日中のみ施設を利用し、夕方には自宅に戻る「通所型」のサービスであることです。
高齢者は、自宅での生活を基本としながら、必要なケアを日中に受けることができます。
食事や入浴、機能訓練(リハビリテーション)など、生活を支える様々なサポートが提供され、自宅で生活を続けたい方にとって重要な支援となります。
特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームのような24時間の施設介護とは異なり、デイサービスはあくまで日中のみのケアに特化しており、比較的自由な生活スタイルを維持しやすいです。
社会的な交流の場を提供している
高齢者が自宅に閉じこもってしまうと孤立感が強くなり、心身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。デイサービスでは、複数の利用者が同じ施設で過ごし、食事やレクリエーション、リハビリを共有することで、自然に社会的な交流が生まれます。
日常生活の中で他の利用者やスタッフと接することで、コミュニケーションの機会が増え、孤独感を感じにくくなるのが大きな利点です。
また、他の利用者との交流を通じて、同じ悩みや経験を共有することで心理的な支えにもなります。
特に一人暮らしの高齢者にとって、定期的に外出し、他者と関わる場が提供されるデイサービスは、心身の健康維持に大きな役割を果たしています。
多彩なプログラムによる心身のサポートを提供する
デイサービスでは、日常的なケアに加えて、利用者の生活をより豊かにするための多彩なプログラムが用意されています。
食事や入浴だけでなく、レクリエーションやリハビリテーションなど、心身の健康を維持・向上させるための活動が多く提供されています。
例えば、手工芸や音楽療法、体操といった活動は利用者に楽しさを提供すると同時に、手や足の機能を維持・改善させる効果があります。
さらに、季節ごとのイベントや地域交流の場としての活動も企画されることが多く、日々の生活に変化や楽しみを与える工夫がなされています。
これにより、身体機能の回復や維持だけでなく、精神的な充実感も得られ、生活の質が向上します。
デイサービス経営者の年収
「デイサービス経営者の年収は、経営する事業規模や地域、経営状態によって大きく異なりますが、一般的に年収は500万円から1,000万円程度が目安とされています。
これは、運営するデイサービスの利用者数や提供するサービスの種類、施設の規模によって上下します。
中小規模のデイサービスの場合、利用者数が10人〜20人規模でスタッフ数も限られているため、年収は500万円〜700万円程度に落ち着くことが多いです。
これは、運営コストやスタッフの人件費、そして地域の介護報酬単価によって左右されます。
中小規模施設では、経営者自身も現場に立つことが多く、その分運営にかかるコストを抑えることが可能ですが、規模が大きい施設と比べて収益性はやや低くなる傾向があります。
デイサービス経営者の年収に大きく影響する要素としては、まず地域の介護報酬単価が挙げられます。
都市部では介護報酬が高めに設定されていることが多いため、経営が軌道に乗れば高い収益を得やすい傾向にあります。
一方、地方では報酬単価が低めに設定されていることが多く、規模が小さい場合は年収が低く抑えられる可能性があります。
また、経営者の運営手腕やマーケティング戦略も大きな要因となります。
例えば、地域での評判を上げ利用者の確保に成功すれば、収益も安定し年収が上がる可能性があります。
逆に、利用者数が伸び悩んだり、運営コストが増加したりすると、年収が大きく減少することも考えられます。
デイサービスの経営が難しいとされる4つの理由
デイサービスの経営は社会環境の変化により、難しくなってきています。
今後デイサービスの経営を検討している場合はその理由を理解し、対策を練っていく必要があります。
この章では難しいとされる4つの理由を紹介していきます。
利益が減少している
デイサービスでは利益が減少してきており、経営はますます厳しくなってきています。
当然のことながら、利益が出ない状況では経営が成り立たなくなってしまいます。
「令和4年度介護事業経営概況調査結果」にあるデイサービスにおける収支差率は以下の通りです。
【デイサービスにおける収支差率(税引前)】

※コロナ補助金も含む
出典:厚生労働省「令和4年度介護事業経営概況調査結果の概要」
利益が減少している原因は大きく分けて以下の2つになります。
- 利用者単価の低下
- 経費の増加
それぞれについて詳しく解説していきます。
利用者単価の低下
独立行政法人福祉医療機構の調査によると、デイサービスの利用者単価が低下しています。
利用者単価が低下することで全体の収益は減少してしまいます。
【通所介護の経営状況(5ヶ年度同一事業所)】

出典:独立行政法人福祉医療機構「2021年度(令和3年度)通所介護の経営状況について」
2021年度の介護報酬改定では基本報酬が引き上げられました。
普通であれば、その影響で利用者単価は上がる傾向にあるはずです。
しかしながら、2021年度は利用者単価が低下するという結果になってしまいました。
この原因としては新型コロナウイルス感染症による特例廃止などが考えられます。
また、加算算定率の低下も原因の一つとして考えられます。
2021年度の介護報酬改定でLIFEの活用が算定要件に必要な加算が増えました。
ただ、LIFEの活用は算定のハードルが高く、算定率の低下が起きてしまったと考えられます。
経費の増加
人件費や光熱費などの経費の増加も、収益に大きな影響を与えます。
デイサービスでの赤字を防ぐために経費を見直すことはとても重要です。
経費の中でも人件費の増加は経営を圧迫します。
独立行政法人福祉医療機構の調査では、デイサービスの人件費率は年々増加傾向にあります。
【通所介護の経営状況(5ヶ年度同一事業所)】

出典:独立行政法人福祉医療機構「2021年度(令和3年度)通所介護の経営状況について」
介護業界は人材不足が続いており、残業代や採用コストの増加が経営を圧迫していることが要因として考えられるでしょう。
人材確保が難しい
人材確保が難しいこともデイサービスの経営が難しい原因です。
職員が不足した状態では、対応できる利用者も少なくなるため、収益が下がってしまいます。
また職員の業務負担は増加するため、離職者が増加し、採用コストが上がったりします。
この人材不足を解消するためには採用するしかないのですが、介護業界ではそれが難しい状況なのです。
介護業界における人手不足については以下の記事で細かく紹介しています。
こちらも参考にしてください。
https://carepl.jp/magazine/labor-shortage
競合との差別化ができていない
競合との差別化ができていないと、利用者が集まらず経営が赤字になる可能性があります。
デイサービスの大まかな収益は利用者の数で決まってきます。
差別化ができていない状態だと利用者が分散してしまい、稼働率が低下してしまうのです。
そのため、デイサービスの独自性を出していくことが重要になります。
独自性の例としては
- リハビリに特化する
- 利用時間が長い
- 土日も空いている
などがあります。
またその地域の特色を生かしたサービスを提供していくのもおすすめです。
まずは事業所の強みが何なのかを考えていきましょう。
管理者が育っていない
管理者が育っていないのもデイサービスの経営が厳しくなる原因の一つです。
管理者はデイサービスの運営や経営に大きく関わる立場になります。
そんな立場の職員が育っていない状態で経営は上手くいきません。
他の事業所で管理者を経験していた人であれば問題ないかと思います。
しかし、そういった人材はなかなか集まらないものです。
新規に立ち上げる事業所では経験の少ない職員が管理者を担当することもあります。
そういった場所では経営が上手くいかなくなり、倒産や赤字になってしまうことがよくあります。
それでもデイサービスの将来性は高い
デイサービスの将来性は、これからの日本社会において非常に高いと考えられます。
日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、65歳以上の人口は今後も増加し、2025年には高齢者人口が総計の3分の1を占めると予測されています。
またそれに伴い、介護や生活支援を必要とする高齢者の数も急増しています。
この背景の中でデイサービスは、今後ますますその需要が拡大していきます。
他にも将来性が高いとされる根拠があるため、4つ紹介していきます。
高齢化社会の進行と在宅介護ニーズの増加
日本は少子高齢化が進み、2040年頃には高齢者人口がピークを迎えると予測されています。

これに伴い、介護を必要とする高齢者の数も急増していますが、すべての高齢者が施設に入居することは難しく、在宅介護のニーズがますます高まると考えられます。
デイサービスは、日中のみ施設に通うという形で在宅生活をサポートするため、介護が必要な高齢者が増える中で、家族の負担軽減や在宅生活を支援する重要な役割を果たします。
高齢者ができる限り自宅での生活を続けることを望む傾向が強い現状を踏まえると、デイサービスの需要は今後も増加すると予想されます。
介護保険制度による安定的な収益基盤
デイサービスは、主に介護保険制度を通じて提供されるサービスであり、安定した収益基盤が確保されています。
介護保険制度の見直しや改定は定期的に行われるものの、高齢化が進む中で、介護サービスの必要性がなくなることは考えにくく、デイサービスも今後も公的支援の下で運営されることが見込まれます。
また、地域密着型サービスとして、地方自治体からの補助金や助成金の活用も可能なため、経営者にとっては安定的な収益を見込めるビジネスモデルとなっています。
多様なニーズに応えるサービスの拡充
近年、デイサービスは単に介護を提供する場だけでなく、リハビリテーションやレクリエーションを通じて生活の質を向上させる役割も強調されています。
利用者のニーズに応じたサービスの多様化が進んでおり、機能訓練特化型や認知症ケアを専門とする施設など、より個別化されたサービスが増加しています。
これにより、特定のニーズに特化したデイサービスの価値が上昇し、他の介護サービスとの差別化を図ることが可能となります。
ニーズに応じた柔軟なサービス展開ができる点で、今後もさらなる成長が期待されます。
地域コミュニティとの連携強化
デイサービスは、地域に根ざした介護サービスであり、今後さらに地域との連携が強化されることが期待されています。
地域住民やボランティア、医療機関と協力し、地域全体で高齢者を支える体制を築くことが進められています。
地域包括ケアシステムの推進により、デイサービスは地域社会における高齢者支援の重要な一翼を担う存在となり、これに伴いサービスの拡充や多様化が求められ、デイサービスの将来性はさらに高まるでしょう。
デイサービスを経営するメリット
デイサービスを経営することは、社会的意義の大きさや安定した需要に加え、経営者にとってもさまざまなメリットがあります。
以下に、デイサービスを経営する際に経営者が得られる主なメリットを紹介します。
安定した収益が見込めるビジネスモデル
デイサービスは、介護保険制度の下で運営されているため、安定した収益が見込めるビジネスです。
利用者が介護保険を利用してサービスを受けるため、経営者は国からの報酬を受け取ることができ、安定したキャッシュフローを確保できます。
施設型介護サービスと比べて設備投資や運営コストが比較的低く、初期投資を抑えながらも持続的な収益を上げやすいという特徴があります。
また、利用者の増加やサービス内容の充実に応じて収入が増加するため、規模を拡大することでさらに利益を上げるチャンスもあります。
自由なサービス提供が可能
デイサービスの運営は、比較的自由度が高いのもメリットの一つです。
介護保険に準拠したサービスはもちろん、地域のニーズや利用者の要望に応じて、独自のプログラムやリハビリ、レクリエーションを提供することができます。
例えば、認知症ケアに特化したプログラムや、健康増進のためのリハビリプログラムなど、特色あるサービスを提供することで、他のデイサービスとの差別化を図ることができます。
また、サービス内容を柔軟に変えながら運営できるため、利用者の満足度を高めやすく、評判を上げることで安定的な運営が可能になります。
経営規模に応じた拡大のチャンスがある
デイサービスの経営は、比較的小規模から始めることができるため、初期投資を抑えてスタートできるのもメリットです。
最初は少人数の利用者を対象に小規模で始め、需要が増えたり運営が安定してきたら、事業を拡大していくことも可能です。
地域のニーズに合わせて施設の数を増やしたり、関連する他の介護サービス(訪問介護や居宅介護支援など)を展開することも視野に入れることができ、長期的に見ても成長の可能性が高い経営が可能です。
デイサービスを経営するデメリット
デイサービスの経営は社会的意義が大きく、長期的な需要が期待される一方で、経営者にとってはいくつかのデメリットや課題も存在します。
以下に、デイサービスを経営する際に考慮すべき主なデメリットを紹介します。
人手不足による運営の負担増
介護業界全体で深刻な問題となっているのが、人手不足です。
デイサービスでも同様に、スタッフの確保が難しいケースが多く、特に経験豊富な介護職員や専門職(看護師や理学療法士など)の採用には苦労します。
人員が不足すると、スタッフ一人あたりの負担が増え、サービスの質が低下するリスクがあります。
また、経営者自身が現場に立つことを余儀なくされることが多く、運営管理や戦略的な事業拡大に集中できなくなることもデメリットの一つです。
人材確保のためのコストや労力が経営に大きな影響を及ぼすことが避けられません。
介護報酬の改定リスク
デイサービスは、介護保険制度に依存した事業モデルであるため、介護報酬の改定が経営に影響します。
介護報酬は定期的に見直され、報酬額の減額が行われると経営の収益が圧迫されることがあります。
特に、小規模なデイサービスの場合、報酬の減額が直接的に利益に響き、経営を圧迫する要因となることがあります。
また、法的な要件や規制の変動も、サービス内容の変更や運営コストの増加につながる可能性があり、予測不可能なリスクがある点がデメリットです。
利用者確保の難しさ
デイサービスの運営では、利用者の確保が大きな課題となります。
特に、地域内に同様のサービスが複数存在する場合、競争が激しくなり、利用者を継続的に確保することが難しくなることがあります。
利用者が減少すると収益が減り、固定費やスタッフの人件費を賄うことが難しくなるため、経営の安定が脅かされるリスクが高まります。
集客のために広告やプロモーション活動にコストをかけなければならず、これも経営の負担となります。
さらに、満足度の高いサービスを提供し続けるためには、継続的な設備投資やプログラムの改善が求められ、資金繰りの厳しさが経営者にとって大きなデメリットになります。
まとめ
デイサービスの経営は介護業界の人手不足や運用コストの増加から難しいとされています。
しかしながら、高齢化社会が続く日本では将来性の高いものとなっています。
地域のニーズや効果的な人材確保の方法、経営対策を考えていくことで安定した収益は見込めます。
メリットとデメリットを理解した上で、今後の方針を考えていくようにしましょう。


